台湾は南国だから、冬の時期でも暖かくていいでしょうね?
なんて、思っている方も多いのではないでしょうか?
実際に、台湾の冬の時期に旅行をして、冬の寒さにビックリした方もいることでしょう。
そこで、今回は台湾在住の私が現地事情を交えながら、台湾の冬の時期の寒さにスポットを当てて、冬の時期に台湾旅行をする方へ向けて、注意点を詳しく紹介します。
以下では、冬の台湾旅行を控えている方で、下記のような疑問を持っている方へ向けて、現地事情を案内します。
- 台湾の冬は寒い?寒くない?
- 台湾で寒い月は何月なの?
- なぜ、台湾の冬は寒く感じるの?
- 冬の時期でも寒くない都市はあるの?
- 冬の台湾旅行で注意することは何?
台湾の冬は寒い!【結論】
台湾の冬の時期は寒いのか?寒くないのか?
結論をはじめに言ってしまうと、台湾でも冬の時期は寒い!
地理的には、沖縄よりもはるかに南にあり、香港からは距離的には近く、やや北東に位置している台湾。
こんな位置関係を想像すると、台湾は一年中、暑い、あるいは冬でも暖かいだろうと思う方が多いことでしょう。
台湾は、日本と同じように、南北にやや細長い島を形成していますね。
そのため、実は台湾北部と台湾南部では気候が異なります。
具体的には、台湾の中南部の嘉義という都市を基点にして、嘉義より北部が亜熱帯気候で、南部が熱帯モンスーン気候に属します。
こんな事情を耳にしていると、やっぱり台湾の気候は暖かい亜熱帯と熱帯エリアに分類されているから、冬でも…
違います!
厳密に言えば、台湾の冬は寒い地域と比較的温暖な地域があります。
そして、台湾の冬の寒い時期は限られた月だけなのです。
以下では、台湾の寒い時期について詳しく解説します。
寒い月はいつ?【時期】
台湾では何月が寒い月なのかを解説する前に、台湾の冬の時期の平均気温を確認してみましょう。

台湾主要都市の年間月別の平均気温(℃)
上表は台湾の台北、高雄、台中の三都市の平均気温と東京の気温との比較を示しています。
最も寒い時期の台北の平均気温は15度を下回っていませんね。
これをみると、やはり台湾は暖かいのかなと思ってしまうと思いますが…。
寒波が台湾の上空を覆うような時期には、最低気温は一気に下がり、10度以下になることもあります。
もう少し具体的に言うと、シベリア寒気団が日本列島を覆うような時期には、東京でも降雪や積雪になることがありますね。
実は、このような時期には台湾も寒気の影響を受けて、急激に気温が下がり、玉山や阿里山などの山間部では積雪になります。
そして、台湾の平野部でも寒波の影響を直接受けて、底冷えするような天気になります。
【結論】台湾の寒い月は何月なのか?
結論を言ってしまえば、台湾の寒い時期は12月末から2月までです。
ただし、高雄や台南などの台湾南部の都市は、上記の時期でも比較的温暖で、寒くなるのは限られた週のみです。
逆に言ってしまうと、台湾北部から中部の都市では、冬の時期は基本的に寒いと考えておいて間違いないです。
そして、台湾の冬の時期のもう一つの特徴は、寒波の寒さは長くは続かないということ。
つまり、寒波が襲来して急激に寒くなっても、その翌週には寒さは緩み、比較的過ごしやすくなったりします。
このように、寒波による真冬の厳しい寒さと晩秋くらいの緩やかな寒さが週ごとに入れ替わるような気候が台湾の冬の寒さの特徴です。
一般的には、天気が良い日の昼間は寒さを感じないくらい比較的温暖な日が多いのも事実。
ただし、台湾の冬の時期では夕方以降は決まって寒さを感じることになります。
なぜ、夕方以降の夜間、早朝はとても寒く感じるのかの現地事情を以下で紹介します。
なぜ台湾の冬は寒い?【理由】
なぜ、台湾の冬は寒く感じるのかの理由を現地事情を交え、日本の事情と比較しながら紹介します。
台湾で生活して気が付いたことを中心に、台湾の冬の時期が寒く感じる理由をいくつか挙げてみましょう。
室内が暖かくない理由
台湾は一年の半分以上が夏の季節という気候です。
そして、上記で述べたように、冬の時期は2ヶ月間程度で、しかも日本のように常に寒いわけではなく、寒さが入れ替わるという特徴があります。
そのため、そもそも、家屋の構造が夏仕様で作られています。
つまり、夏の時期には涼しくなるように作られているため、建物はコンクリートや石材で作られているのです。
日本では、木造住宅が多く、壁は木材で、床はウッドフロアーか畳が多く、夏は比較的涼しく、冬は比較的暖かい作りになっていますね。
台湾では、壁も床もコンクリートか石材で四方八方が覆われている作りなのです。
想像してもらえば、分かりますが、夏は意外にも涼しいのですが、冬の時期は足元から底冷えしてしまします。
さらに、台湾の家屋は日本の家屋と比べて、天井が高く作られている家が多いため、これも夏は開放感があって涼しいのですが、冬はスカスカで寒さを増幅させます。
このような家屋の構造や材質などが、暑い気候を前提に作られているため、想像以上に台湾の冬は寒く感じるのでしょう。
暖房器具はあるの?
台湾に暖房器具はあるのか?
私の知る限り、一般的な台湾家庭では小型の電気ストーブはある場合もあります。
が、以下のような暖房器具は一般的には使われていません。
- エアコン(暖房機能)
- コタツ
- 石油ストーブ
- オイルヒーター
- 床暖房
日本では、冬の時期には当たり前のように使用されている暖房器具が台湾では使われていません。
そのため、台湾では寒い日に外から室内に入っても、室外と室内では気温がほとんど変わらないなんてこともあります。
室内にいれば、風を避けることができるため、少しは体感温度が違うかもしれませんが…。
それでは、台湾人は寒い冬の時期を室内ではどのように過ごしているのか?
その答えは…、防寒着を重ね着して寒さに耐えるのが台湾の冬の風物詩なのです(笑)。
- ダウンジャケット
- トレーナーの重ね着
- ニット帽
- マフラー
- 手袋
上記のような冬の防寒着をまとっても、さらに寒い時には毛布に包まって寒さを凌ぎます。
冬のシャワーは辛い?
日本では、寒い冬の夜には、暖かいお風呂に浸かれば、体が温まりますね。
ところが、台湾ではバスタブがないことが多く、シャワーのみの家庭が多いのです。
もちろん、ホテルでも高級ホテル以外は、シャワーのみのホテルも多いですよ。
そのため、寒い冬の時期でも、シャワーだけで凌ぐしかないというのが現地事情です。
さらに、シャワーの温水もシャワー用の温水器が電気温水器のこともあり、生温いお湯しか出てこないなんてことも…。
また、ガス温水器の場合でも、暖かい地域限定の仕様のためなのか、冷え切った水を熱く暖めるほどのパワーがなかったりします。
その結果、比較的生温いシャワーを浴びることになり、シャワー室の寒さと格闘しながら、震えながら髪の毛を乾かすなんてことも。
冬服はダウンジャケットのみ?
台湾では冬の服装と言えば、ダウンジャケットになります。
そして、驚くことに、ダウンジャケットの下はTシャツだったりします(笑)。
ダウンジャケットとTシャツの冬のコーデが当たり前だったりすることに、日本と台湾の違いを感じます。
寒い時期には、Tシャツの上に長袖トレーナーを着て、ダウンジャケットを着るというのが台湾スタイル。
台湾の冬の時期は短く、寒い期間も入れ替わり、天候に左右されるため、冬の暖かい服はあまり販売されていません。
例えば、厚手のセーターやズボンの中に穿くロングタイツなどはあまり見かけません。需要が少ないためやむを得ませんが…。
最近は、冬の時期限定で、ヒートテックはコンビニなどでも販売されるようになりました。
寒くない都市もある?【例外】
ここまで、台湾の冬は寒いということを中心に紹介してきました。
実際には、台湾南部では真冬の時期でも比較的暖かいのが救いです。
そのため、どうしても寒さが苦手の方は、台湾に来て、寒さの洗礼を浴びてしまった場合は、台湾南部に逃げ込むことができます。
台湾南部では、よほどの大寒波が来ない限り、比較的温暖で過ごしやすいことでしょう。
そのため、冬の台湾旅行では高雄、台南、墾丁公園などの台湾南部の都市が、寒さを避けるという意味ではおすすめでしょう。
冬の台湾旅行で気を付けることは?【注意】
冬の台湾旅行で注意することは何か?
冬の時期に台湾を旅行する場合に気を付けることを、持ち物とセットで紹介します。
寒さ対策
目安として東京で雪が降るような日は台湾でも同様に寒いと思って間違えないです。
寒波の日には、室内でも暖房がなければ、逃げ込む場所は、ダウンジャケットを着込んで布団に包まることになるかもしれません。
寒さが予想される時期に台湾旅行をされる場合は、下記のような服や持ち物も必要でしょう。
- ダウンジャケット
- 厚手のセーター
- 防寒具(ニット帽、マフラー、手袋)
- ヒートテック
- ロングスパッツ(必要な人)
乾燥対策
台湾の冬の時期は、日本と同様に、空気が乾燥します。
さらに、具合が悪いことに、台湾国内で排出された大気汚染だけではなく、中国大陸からPM2.5などの汚れた大気が流れ込みます。
そのため、マスクは絶対に持ってきたほうがよいですよ。(もちろん、台湾のコンビニでも売っていますが…)
また、天気が良い日は特に空気が乾燥するため、下記のようなグッズを持ってくることをおすすめします。
- リップクリーム
- スキンクリーム
- ハンドクリーム
- ベビーローション
持ってくるのを忘れた場合は、ドラッグストアで買うこともできますが、日本製はお値段が高めです。
雨の心配は?
台湾現地の冬の時期の雨の心配は、どうでしょうか?

台湾主要都市の年間の降水量(mm/月)
上のグラフは主要都市の月別の降水量を示しています。
12月~1月の降水量は各都市とも、比較的少ないですね。
2月になると、台北で降水量が少しだけ多くなります。

台湾主要都市の降水日数(1mm以上降水の日数)
上のグラフは主要都市の月別の降水日数を示しています。
降水量とは関係なく、12月~2月の降水日数が飛びぬけて高くなっていますね。
つまり、台北をはじめとした台湾北部の都市では降水量は少ないものの、雨の日が多くなり、シトシトとジメジメとした日が多くなるというイメージです。
特に、観光地として有名な九份では雨の日が多いため、観光を予定している方は雨傘、雨合羽やポンチョなどの準備が必要でしょう。
紫外線の心配は?
台湾の冬の時期の紫外線の心配はどんな感じなのか?

台湾の主要都市の紫外線(UV)量
上のグラフは、台湾の紫外線量の平均値を示しています。
12月~2月頃までであれば、それ程高くないように見えますね。

台湾の主要都市の紫外線量(UV)の最大値
上のグラフは紫外線量の月別の最大値を示しています。
2月の高雄や台南の紫外線量の最大値はかなり高くなっていることが分かりますね。
つまり、台湾南部への旅行で2月の天気が良い日には紫外線量が高くなりますので、日焼けが気になる方はそれなりの準備が必要です。詳しくは下記記事をご覧ください。
≫≫台湾旅行では紫外線に注意!紫外線量が多い月の日焼け対策は念入りに
まとめ
以上、台湾の冬の現地事情を具体的なデータや現地在住の私の経験をもとに詳しく紹介しました。
ここまで、さんざん台湾の冬は寒いと言ってきて、何だよって思われるかもしれませんが…。
日本の冬よりも台湾の冬の気温の方が高いことに変わりはありませんので、寒さを感じない方もいるかもしれません。
再度、強調して伝えたいことは、寒波襲来時の夕方以降の室内(ホテルなど)は寒く感じるということ。
そして、酷い寒さは長くは続かないため、台湾旅行中に寒波が来たら、運が悪かったと思い、台湾南部へ逃げ込みましょう。
最後に、まとめとして、ここまで紹介したことのポイントをまとめておきます。
- 台湾の冬は寒い!(寒く感じる)
- 台湾で寒い月は12月末~2月
- 寒い理由は石材構造の室内や暖房器具がないことなど
- 冬の時期でも寒くない都市は高雄や台南などの台湾南部
- 冬の台湾旅行では寒さ対策と乾燥対策をしましょう
台湾のお正月は旧暦により決まるため、毎年、時期は異なりますが、交通が混雑しますので注意しましょう。
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