出国手続きについて、より分かりやすい言葉で、より詳しく紹介します。
海外旅行をする際に避けては通れないプロセスが出国手続きです。
出国手続きと聞いて、すぐに頭に浮かぶことはパスポートと搭乗券を持って、出国審査でパスポートに出国のスタンプを押してもらうことでしょう。
以下では出国時に必要となる下記の4つの手順を詳しく紹介していきます。
- 搭乗手続き(チェックイン)
- 保安検査
- 税関検査
- 出国審査
海外旅行をする際には、実は知らない内に4つもの手続きを経て、ようやく海外へ向かうことが出来ているということなのですね。
以下では、上記の5つの手続き、検査、審査を詳しく調べてみましたので紹介します。
搭乗手続き
搭乗手続きはチェックインと呼ばれることが多く、海外旅行の一つ目の手続きになります。
搭乗手続きの方法はチェックインカウンターでするマニュアル手続きか自動チェックイン機でする方法があります。
一般的には、国際線の場合は各航空会社のチェックインカウンターで手続きをする場合は3時間前から開始され、遅くても出発の1時間前までに済ませます。
遅れた場合はチェックインを拒否されますので、国際線に搭乗する場合は絶対に遅れないようにしましょう。
必要なものとして、パスポートと航空券の予約のコピーなどをチェックインカウンターに提示します。
チェックインの手続きでは、パスポートがあるかどうか、パスポートの有効期限が十分か、航空券の予約があるかどうか、予約の名前に間違いがないかどうか、受託手荷物のチェックなどが行われます。
また、場合によってはビザについて目的地の国の入国条件を満たしているかどうかを確認されます。
そして、全ての確認が終わり、問題がなければ、搭乗券を発行され、パスポートと一緒に渡されます。
保安検査
航空保安検査(保安検査)はセキュリティーチェックと呼ばれることもあり、出国時の最初の検査になります。
保安検査は旅行の時期、時間帯、空港によっては大変混雑するため、長蛇の列ができていることもあり、時間が掛かる場合があります。
そのため、時間に余裕を持って、出来るだけ早めに保安検査を受けたほうが良いでしょう。
保安検査では、主に2つのことをチェックされます。ボディーチェックと機内持込みの手荷物の検査です。
ボディーチェックではベルトを外して、靴も脱いで、ポケットの中のものまで全て取り出した状態でボディーチェックを受けます。
ポケットなどに鍵などの金属製のものを持っているとブザーが鳴り、保安検査官から入念に検査を受けることになり、時間も手間も掛かるため注意しましょう。
ところで、保安検査をしているスタッフの方は公務員だと思われている方も多いかもしれませんが、実は空港管理会社の職員または業務を請け負っている警備会社の職員です。
機内持ち込み手荷物で注意すべきものは下記の通りです。
- 刃物・ナイフ:持ち込み不可
- ライター:1個/人はOK
- 酒類:容量や酒種により制限あり
- 化粧品や医薬品:持ち込みはOK
- スプレー:キャップなどで固定されていればOK
- ガス系スプレー:持ち込み不可
- 電子たばこ:持ち込み可能(目的国によっては禁止)
税関検査
海外旅行の際の出国時に税関検査を受けたことがないと思われた方もいるでしょう。
一般的に、税関検査は申告検査のため、申告するものがなければ、検査を受けることはありません。
そもそも、税関とは何をするところなのか?と疑問を持たれた方もいるのではないでしょうか?
税関(ぜいかん、英: Customs)は、関税及び内国消費税等の徴収、輸出入貨物の通関、密輸の取締り、保税地域の管理などを主たる目的・業務とする国の行政機関である。
(引用元:Wikipedia)
一般的には、税関は税金の徴収をする行政機関だということが分かります。日本での行政機関はどこなのか?
税関は、財務省の地方支分部局として、函館、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、門司及び長崎の8税関のほか、沖縄地区税関が設置されている。
(引用元:財務省関税局)
つまり、税関は税の関所とも読み替えられ、財務省の管轄で、消費税や関税の徴収のための検査をしているということ。
外国人(海外在住日本人も含む)が日本で買い物をして、消費税の免税を受けた場合は保安検査と出国検査の間に消費税免税に関する申告書を入れるボックスがあり、そこに申告書を投函している光景を見たことがある方もいるかもしれませんね。
また、出国時に100万円相当額を超えるお金を持っている場合なども税関で申告する必要があります。
出国審査
海外旅行の際の最後の手続きが出国審査になります。
出国審査では一人ずつ出国の審査を受け、パスポートと搭乗券を提示して、出国確認のスタンプをパスポートに押してもらいます。
これで、ようやく海外旅行での出国時の手続きが全て完了して、後は搭乗口へ行き、飛行機の出発を待つのみとなります。
搭乗時間までの間は、免税店などでショッピングをしたり、お土産屋などで買い物をすることも出来ます。
日本人の出国審査の意味は?
入国審査官が出国手続きをしているの?入国審査官はどのような人なのか?
入国審査官とは、法務省入国管理局に所属する行政職または指定職の国家公務員で、外国人の出入国審査、在留審査、口頭審理などの審査業務、難民認定に関する調査業務、日本人の出帰国確認を行うことを主な職務とする。
(引用元:Wikipedia)
上記の通り、入国審査官は法務省の職員が務めているということが分かりますね。そして、外国人だけではなく、日本人の出国と帰国の確認も行うとあります。
出国審査では入国審査官が手続きをしますが、外国人と日本人では出国審査の意味合いが少し異なります。
厳密な法令では、下記のような考え方で日本人は出国することになります。(以下は小難しい話ですので読み飛ばしてもらってOKです)
何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。
(引用元:憲法第22条第2項)
上記のように、日本人が外国へ出国することは、国民が当然に有する権利として保障されています。一方で、下記のような法律で国民の権利を制限しています。
第25条第2項又は第60条第2項の規定に違反して出国し、又は出国することを企てた者は、1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
(引用元:入管法第71条)
日本人が出国する場合は、有効なパスポートを所持して、入国審査官から出国の確認を受けなければ出国をしてはいけないこととなっています。そして、この手続きをしないで出国しようとすれば、刑事罰の対象となります。
日本人の出国のチェックは入国審査官が出国する日本人の所持する旅券に出国のスタンプ(証印)を押すことによってなされます。
入国審査官による出国審査は、入国審査官がそれぞれの日本人の出国の事実を確認することが目的で、日本人の出国を許可することではないとのこと。
とは言っても、出国審査では犯罪者など出国が制限された人は出国ができないこともあります。
つまり、入国審査官が出国審査をしたからといって、責任は入国審査官にあるのではなく、出国しようとしたそれぞれの日本人にあるということなのでしょう。
まとめ
以上、海外旅行の際の出国時の4つの手続きについて詳しく紹介しました。
海外旅行で出国する際には時間に追われるような気分で事務的に手続きを受けることが多いですね。
ところが、一つひとつの手続きを切り分けてみると、民間職員、財務省の公務員、法務省の公務員など、いろいろな人たちが手続きに関わっているというのは意外かもしれません。
最後に、出国時の4つの手続きについてのポイントをまとめておきますので、海外旅行の出発前の参考にしてみてください。
- 海外旅行の際の出国前の手続きは4つ
- 搭乗手続き(チェックイン)ではパスポートと航空券の確認後、搭乗券が発行されます
- 航空保安検査ではボディーチェックと機内持込手荷物の検査を受けます
- 税関検査では関税や消費税の徴収、現金などの持ち出しの申告などをします
- 出国審査では入国審査官により出国の確認をされ旅券に証印をしてもらいます
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