台湾旅行で注意しておきたいことの一つが旅行中の病気ではないでしょうか?
特に、一旦広がり始めたら感染しやすく感染力の強い麻疹(はしか)は注意が必要です。
台湾では、はしかはどれくらいの頻度で流行しているのか?
あるいは、そもそも、はしかはどのような感染病で、旅行前の予防や対策はあるのだろうか?
台湾旅行前には是非知っておいたほうがよい、はしかの知識とともに、現地の事情を交えながら、詳しく解説します。
はしか(麻疹)とは?
麻疹は麻疹ウイルス(Paramyxovirus科Morbillivirus属)によって引き起こされる感染症であり、空気感染(飛沫核感染)、飛沫感染、接触感染と様々な感染経路を示し、その感染力は極めて強い。
台湾ではしかが流行する時期
はしかの潜伏期間
- 潜伏期間: 10日~12日間
- カタル期: 2日~4日間
- 発疹期 : 3日~5日間
- 回復期 : 発疹以降
麻疹に対して免疫を持たない者が感染した場合、典型的な臨床経過としては10~12日間の潜伏期を経て発症し、カタル期(2~4日間)、発疹期(3~5日間)、回復期へと至る。
はしかの原因と症状は?
はしかの原因
- 原因 : 麻疹ウイルスがリンパ組織で増殖、別ウイルスの合併症
- 合併症: 麻疹脳炎、麻疹肺炎
ヒトの体内に入った麻疹ウイルスは、免疫を担う全身のリンパ組織を中心に増殖し、一過性に強い免疫機能抑制状態を生じるため、麻疹ウイルスそのものによるものだけでなく、合併した別の細菌やウイルス等による感染症が重症化する可能性もある。
麻疹肺炎は比較的多い合併症で麻疹脳炎とともに二大死亡原因といわれている。さらに罹患後平均7年の期間を経て発症する亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panencephalitis: SSPE)などの重篤な合併症もある。
はしかの症状
カタル期
- 38 ℃前後の発熱が2~4日間続く
- 倦怠感がある
- 上気道炎症状(咳嗽、鼻漏、咽頭痛)と結膜炎症状(結膜充血、眼脂、羞明)が現れる
発疹期
- 発熱が1℃程度下降した後、半日くらいのうちに再び高熱(多くは39.5 ℃以上)が出る(2峰性発熱)
- 特有の発疹が耳後部、頚部、前額部より出現する
- 翌日には顔面、体幹部、上腕に遷移
- 2日後には四肢末端にまで及ぶ
- 発疹が全身に広がるまで、発熱(39.5℃以上)が3~4日間続く
回復期
- 発疹出現後3~4日間続いた発熱も回復期に入ると解熱する
- 発疹は退色し、色素沈着がしばらく残る
- 僅かの糠様落屑がある
- 合併症のないかぎり7~10日後には回復する
台湾で麻疹に感染したくない!予防法は?
幼少期の2回のワクチン接種により発症を抑える効果があります。
はしかは空気感染するため、手洗いやマスクでの予防は出来ない。
唯一の有効な予防法はワクチンの接種によって麻疹に対する免疫を獲得することであり、2回のワクチン接種により、麻疹の発症のリスクを最小限に抑えることが期待できる。
麻疹は空気感染するため、手洗いやマスクでは予防ができない。そのため、ワクチンによる予防が最も重要である。
台湾で麻疹に感染した!対処法は?
発症後は特別な治療法はなく対処療法による対応となります。
例えば、中耳炎や肺炎などの合併症の場合は抗生物質を使用するなど。
発症すると特異的な治療法はなく対症療法が中心となるが、中耳炎、肺炎など細菌性の合併症を起こした場合には抗菌薬の投与が必要となる。ワクチン接種後2週間後から麻疹特異的な血中抗体が出現するが、麻疹患者と接触後、緊急(72時間以内)に麻疹含有ワクチンの接種を受けることで、発症を予防できる可能性がある。
台湾での麻疹の発生は?
近年では、2018年4月に台湾で麻疹が大流行しました。
そこで、台湾で麻疹が流行した年度を下記にまとめておきます。
- 1943-44年
- 1957-58年
- 1968-69年
- 1976-77年
- 1985年
- 1988-89年
- 2002年
- 2008-09年
- 2011年
- 2014年(国外)
- 2015年
- 2018年
上記のように、台湾では麻疹が約10年に一度くらいの間隔で大流行していることが分かりますね。
台湾旅行の前には、3つのことを確認しておくことをお勧めします。
- 幼少期に2回の予防接種を受けているかどうか?
- 台湾現地で麻疹が流行していないかどうか?
- 台湾現地で麻疹に感染してしまった時の対処方法
幼少期に予防接種を受けていない場合は感染・発症の可能性があることを知っておきましょう。ただし、旅行前に予防接種を受けて免疫を作っておくこともできます。一般予防接種の(麻疹の)場合はワクチンの在庫があれば、5,000円~10,000円程度。
台湾旅行前には現地で麻疹の患者が出ていないか、麻疹が流行していないかの確認をしましょう。状況によっては旅行を取り止める勇気も必要でしょう。
また、もしも現地で麻疹に感染してしまったら…?という備えをしておくことも重要です。具体的には、現地で診察を受けられる病院を確認しておくことと海外でも診察が受けられる保険の加入になります。
コメント